昨日は「立冬」だったらしく、私どもの院にいらっしゃる患者さんは口々にその話をされていました。立冬になったからと言ってすぐに寒くなる訳ではありませんが、来週からは最低気温が5℃程度になりそうですから少し覚悟しておいた方が良さそうですね。人によっては「もうすぐお正月」と言っている方もいらっしゃいますが、確かにそうなのかも知れません。辰年はもう間もなくです。
ここ数年コロナのせいで、野球関係の患者さんが激減していましたが、ここに来て今までのように通常来院される方が非常に多くなりました。野球関係のお子さんの施術を長い事行っていますと、やっぱり「野球肘」の患者さんが一番多いと思います。「野球肩」で来院されるお子さんも少なくはありませんが、私どもの院ではそれ程多くもありませんでした。ところが今年は来院されるお子さんの中で「野球肩」が群を抜いて多く、私どもを驚かせています。
「野球肩」にも幾つも種類がある訳なのですが、今年来ているお子さんの症例は決まって「近位骨端線離開」(リトルリーガーズショルダー)と呼ばれる、最も「野球肩」らしい「野球肩」です。この症例にも「型」や「程度」がある訳ですが、一般的に言いましてなかなか治りにくい症例の一つです。私も若い時分にはこの症例でかなり困ったものです。この「近位骨端線離開」は基本的に「骨端線」に炎症を伴う強い痛みが発生する事が主症状ですから、この炎症を取ってあげれば痛みも取れて、今まで通りにボールを投げる事が出来る訳です。
これだけですと実に簡単に治るような感じですが、この症例はなかなか一筋縄ではいかないものです。一般的な低周波治療器&マッサージの治療では全く歯が立ちませんし、痛み止めや湿布等は正に論外です。「近位骨端線離開」を何とかするには、少しばかり特殊な機器と、やはりその辺では見られない特異な技術がどうしても必要になります。
私も今まで色々試してみましたが、この組み合わせ以外で短期間に効果を上げる方法は見つかりませんでした。ですから今でもこの方法で施術を行っております。「近位骨端線離開」は「肩」の症例としましては非常にポピュラーなものですが、同時にこの「症例」で長い期間悩んでいる方も多いものです。私どもの院に来院される「近位骨端線離開」の患者さんは皆さん永い事 整形外科や整骨院を彷徨っていた方ばかりです。